でんぱ NINGEN BOYS~萌キュンノイズロックンロール~

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3月14日(木)渋谷WWWにて、でんぱ組.inc、N'夙川BOYSと共演する「でんぱ NINGEN BOYS」と題したBO NINGENのレコ発リリースパーティーに参加した。『Line The Wall』(壁に線を引く)というアルバムタイトルから<壁を超える>をキーワードにそれぞれのジャンル/カルチャー/インディー/メジャーと常識の壁を突き破る3アーティストが共演した今回のイベント。対バン相手がでんぱと夙ボという無視出来ないイベントだったのにも関わらず、チケット争奪戦すら知らずに気づいた時にはSOLD OUT、譲って下さる方のご好意に甘えなんとか会場入りすることが出来た。







19:02〜〈N'夙川BOYS〉




『プラネットマジック』新規ですが、リリース時はライブに足繁く通いました(またの名をモテキ新規)。ストレンジパワーPOPでキャッチーな楽曲、楽器をとっかえひっかえの演奏スタイル、デュエットソングの常識をハミ出しまくる男女掛け合いボーカル、といった独自のLOVEスタイル。様式や伝統や演奏技術や優れた録音環境に媚びない、真っ直ぐに溢れ出して、ただそれだけで世界をひっくり返してしまう程の衝動を感じる10年代を代表するバンドと高く評価しています。メンバーのリンダがとても美人というのも推しのポイント。モデルとKING BROTHERSを組ませた企画バンドにも関わらず、6年前から大阪のアンダーグラウンドやロンドンの箱でコンスタントにライブをこなすなど地道に下積みを経て昨年ようやくメジャーデビュー、そんな彼らの奏でるロックンロールを愛してやまない。


この日もとっちらかった演奏をパフォーマンスでカバーするステージを展開、いつものようにオーディエンスの上を泳ぎ回ると強烈かつ扇情的なアクトをみせつけてました、ホワイトデーということで菓子を天真爛漫に振りまくリンダがまた一層可愛いくてそのルックスだけでも新たなポップアイコンに認定してしまいそうなくらいステージ上の彼女はキュートだった。最後はマーヤとリンダがステージのセンターのマイクで、アカペラで♪物語は〜ちと不安定〜と歌い上げて大団円。彼らがこれだけヤンチャするのも、ポップの魅力を、ロックンロールの威力を、重々わかっているからだろう。マーヤの言葉の余韻と、キラキラの音の海に身を委ねながら、そんなことを考えていた。






01.プラネットマジック
02.24hour
03.FUN HOUSE
04.TRY AGAIN 〜boys and girls〜
05.Candy People
06.物語はちと?不安定




19:58〜<でんぱ組.inc>


でんぱ組はちょうどMEME TOKYOに籍を置き始めた2011年の11月ころから追っているグループで学生時代はディアステにもよく遊びにいっていました。きっかけは初年度のTIFでみた『Kiss+kissでおわらない』楽曲推しから波及して、そこからMOGRAや秋葉原の地下アイドルに行き着き、いまの自分の趣向ベースを築いていった。かせきさいだぁと木暮晋也がこしらえた『くちづけキボンヌ』は彼女たちをメジャーのシーンへ押し上げると共にアキバとシブヤの異文化交流を図った。虚構の秋葉原と現実の渋谷と象徴づけられると思うんだけど、でんぱ組は秋葉原こそがリアルでシブヤをファンタジーなものとしている傾向がある。このモチーフがツボであり渋谷系で育って秋葉原が庭だった僕の心を離さない理由。去年劇的に環境が変わった彼女たちは全国を巡るツアーで着実にファンを増やしていき、シブヤともアパレルという側面から繋がりをみせ新しい可能性の提示した。今年1月にリリースした「W.W.D / 冬へと走りだすお!」ではそのリアルとファンタジーを歌った素晴らしい1枚で、この日のライブはこのシングルがテーマとなったセトリで非常に興味深かった。ただ今までと少し違ってきた点、”世界進出”というキーワードが現実味を帯びてきたという事。本気で世界に進出すべくと頑張っていきますと高らかに宣言してきて流石に狼狽えた。対バン相手が海外で活躍しているからとは言え、衝動的に言った言葉ではなく、必然的に次のフェイズは海外であることを納得せざるを得ないから飛び出たワードなんだと思った。10ヶ月前に同じ会場で泣きながらライブしてた時とは想像もできない程に逞しく成長しているのを実感した。メンバーそれぞれが自身に満ち満ちているしそれを裏付けるようにフロアは熱狂的な盛り上がりをみせていた、これはひょっとすると本当にいくところまでいってしまいそうですね。先日の台湾に引き続き、香港も決まったそうで、夏には欧州と踏んでいってしまいそうな勢いです。






01.わっほい?お祭り.inc
02.でんぱれーどJAPAN
03.キラキラチューン
04.Sabotage
05.W.W.D
06.くちづけキボンヌ



21:00〜<BO NINGEN>




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灰野敬二裸のラリーズ、以来の脳波破壊的バンドと対峙したのはを昨年の冬、"STYLE BAND TOKYO"というイベントで初見した際は脳汁が溢れ出てくるよううに酔わせ失禁しかけたのを覚えている。ポストハードコア、ポストノイズ、ポストヘヴィーロックなど色々と形容されるようにジャムセッションで作り上げられる変化自在な轟音は様々なジャンルをクロスオーバーする楽曲が魅力。ロンドンのアートカレッジで結成され活動拠点も主にロンドン、日本に逆輸入といったかたちで今回メジャーデビューする彼ら。

BO NINGENは、この日一番の音圧で観衆を圧倒。ステージ前方のプロジェクターから投射されるグロテスクで美しい映像と相まった、壮観な音世界を展開していった。エッジの利いたパフォーマンスはヴォーカルTaigenのプロレス好きからきているらしく野獣的なステージアクションは視覚的にもサイケデリック。UK発のバンドといってもニュートラルなスタンスを取ることであらゆるシーンからの影響を受けていく彼らはこれからもどんどん前衛的な音楽を作ってくれると確信した。そしてアンコールでは、最初に夙ボと共にBO NINGENの楽曲「Jinsei Ichido kiri」を、続いてでんぱ組.incまで呼び込むとやはり自身らの楽曲「△」をセッションで披露。マーヤがTaigenに思いっきりキスをする仰天な一幕も飛び出すカオティックなコラボステージに震えが止まらなかったです。身体中に轟音を浴びてデトックスというか解毒された気分で気持ちよい3時間でした。


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01.Henkan
02.Nichijyou
03.Slider
04.Koroshitai Kimochi
05.Chitei Ningen Mogura
06.Natsu No Nioi
07.Daikaisei Part II,III



En1.Jinsei Ichido kiri(BO NINGEN×N'夙川BOYS)
En2.△(BO NINGEN×N'夙川BOYS×でんぱ組.inc

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BO NINGENはイギリスで活動してた訳だけど、なんで日本にきたかっていったらやっぱりいろんなシーンでクロスオーバーしていきたいと思ってるからじゃないかな。イギリスって音楽と一番結びつきやすい例えばァッションと結びついてるようでそうじゃない。ビジュアル系とかがあるように日本の方が何気に文化を共有し易いと考えていて、今回は如実にそれを図ろうとしていた非常にポジティブなアクトだった。夙ボにしてもでんぱにしても今日のコラボは中々刺激的だったと思う。でんぱ NINGEN BOYSを海外で開催されるその日をたのしみにしていきます。