KOBerrieS♪~楽しさを楽しめ~

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”17歳のポール・ウェラーリッケンバッカーをかき鳴らし「まだこの街の中にはキミに教えたいことが沢山あるんだ」と歌ったように、このアルバムの中では若い才能達が神戸の街の中で歌い踊り輝いている。”
と、レビューし昨年のベストアイドルディスクとして選出させて頂いた大名盤『流星トランジスタ』のリリースから早10ヶ月、この1年近い期間にこのアルバムを幾度となく聴き込み神戸の街を思い馳せたことか。
ポートタワーの下で彼女達を観る時が初めてのKOBerrieS…という理想とはかなりかけ離れた、20年ぶりの豪雪に見舞われた東京はタワーレコード渋谷店内の一角が彼女達との初対面となった。
 
朝から全国的に交通網が麻痺した2月8日、彼女達もその影響を受けインストアイベントも遅延するも地元のサポーターからの後押しもあって無事スタート。他のグループが相次ぎで予定をキャンセルする中、初東京遠征に高揚する我々に応えてくれたのが素直にうれしかったです。
 

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1, Love never dies!!
3, メリケンパークに落ちる星
4, ポートタワー
5, うみのみえるまち
6, 未来少年少女
 
まず1曲目から聴きたいのが来るとは思わずイントロのドラムソロの時点で、「『セフレ』だー!踊れー!!」と叫んでしまいましたw  「セフレ」というのはSchloderという神戸のバンドの曲で「Love never dies!!」の原曲です。どちらの音源も好きなのですが、1曲目からというのがあまりにもエモかったものでつい。
 
そこから、神戸の景色を巡っていくという構成のセトリで、行ったことのない地にセンチメンタルを感じるよくわからない感覚に陥ったのを覚えています。「メリケンパーク」のエレポップに乗せたどこか泣きメロで切ない歌詞がとても好きで、実際のステージングではシンプルな振りではありましたがその歌詞になぞるように踊る彼女たちに目を奪われました。踊りをみてもっと好きになったレアケースです。
 
コウベリ現場初体験は何もかもが新鮮でした。「ポートタワー」が始まる直前、神戸からのサポーターさん達が『ポートタワー、来たーーーーーーっ!!』と声を揃えて叫んだのには本当笑いました。アイドル現場によくあるネタではありますが、彼らの場合は本当にその曲を待望していたいうような本質的意味合いの方が強くて愛の深さを感じました。もうその声援ひとつひとつが素直な叫びで、インストアにしてはかなりうるさかったはずですが、皆が素で楽しんだ時にでる声だったので笑ってしまったのが理由でもあります。

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最後に披露した新曲「未来少年少女」はコウベリを体現するようなまっすぐなパワーポップ。卒業ソングでありながら未来への力強い一歩を踏み出せるような背中を押してくれる応援ソングでもあります。スタジアムロック仕様の展開といつになく力が入ったボーカルに思わずこぶしを振り上げたくなります。後々盤で聴きこむとこれが中々作りこまれていてドラマチックなストリングスのアレンジや後半にかけて左の奥の方で鳴っているギターが非常に良いアクセントになっていたりと、やっぱり純粋に良質なポップスでもあるなぁとつくづく感じました。
 
コウべりの楽曲の良さはあらゆるジャンルを取り入れそれをきちんとポップスとして聴かせてくれるところだと思っていて、バンド畑のサウンドがギターがメインに据えられているのも個人的なツボをつくところです。神戸の若いクリエイター達が神戸からポップカルチャーを発信していこうという一環で始まったKOBerrieS♪は確実に東京まで届いているし、彼女たちがきっかになって神戸の文化にも興味を持ち始めているまで波及しているのも事実。デザイン都市でもある神戸には熱くてハードコアなインディーシーンやtofubeatsを筆頭にネット世代の寵児に溢れている。クリエイティブな環境で育まれる個性は楽しいに決まってる。クリエイターではなくとも、サポーターのように、僕も純粋に楽しんでいきたい。